老後年金不足額1億円という人への相談がNGなわけ

老後年金不足額1億円という人への相談がNGなわけ
かんがえる人
かんがえる人
この前ライフプランナーに相談したら老後一億円必要って言われたんだけどそんなにいるの?

将来のことを考え、人からお金の情報を取るのはとても良いことです。

 

ですが、中には、自社金融商品の営業のため、真実ではない都合の良い情報を提供する人がいるのも事実です。

 

そういった誤った情報を提供する人達に年金やお金の相談をしてしまうと、正確なライフプランを作成することは困難になります。

 

今回は、その中でも多い「老後年金不足額1億円」という話がなぜ間違っているかについて解説をしていきます。

 

■この記事の内容
・年金不足額1億円の内訳
・間違いの指摘

年金不足額1億円の内訳

 

 

このトークをされる方は、外資系の生命保険営業マンの方や投資用ワンルームワンションの方に多いです。

 

老後のへの不安をあおり、自社の金融・投資商品を購入させやすくする狙いがあります。

 

では、実際どんなシミュレーションで老後を資金を算出しているのでしょうか?

 

年金不足額1億円の構成

・ゆとりある老後支出の計算

・無年金期間

・年金支給年齢と金額

 

 

ゆとりある老後支出の計算

 

まず老後の生活費を試算します。

 

老後の生活費として、よく引き合いに出させるのが、公益財団法人生命保険文化センターの「最低日常老後支出」と「ゆとりある老後支出」に関する調査結果です。

 

こちらは「老後夫婦二人で生活を過ごすうえでいくらお金が必要なのか」という意識調査を行った際の統計を開示したものになります。

 

参照:公益財団法人生命目保険文化センター

https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/7.html

 

◇最低日常老後支出

こちらは夫婦二人で22.1万円/月という統計が出ています。

 

ただし、完全に生活費分だけの支出になりますので、趣味に興じたり、旅行に行ったりするお金は全く考慮されていません。

 

かなり貧しさを感じる生活水準になります。

 

◇ゆとりある老後支出

続いてゆとりある老後支出ですが、こちらは夫婦二人で36.1万円という統計が出ています。

 

1億円の試算がされる際には、こちらの数字が用いられることが多いです。

 

ここまで支出が許容できる老後であれば、お孫さんへのプレゼントやおいしいものを食べに行ったり、多少のぜいたくが許さる生活水準になります。

 

最低日常老後出とゆとりある老後支出を対比させて、「どちらの生活がよいですか?」と約36万円/月のゆとりある老後でのシミュレーションに誘導する寸法です。

 

仮に定年が60歳だったとして、90歳まで生存したとすると、

 

36万円×30年(360カ月)=1億2,960万円

 

このような数字になります。

 

無年金期間

 

そして、老後の不足額を重増しするために用いられるのが、「無年金期間」です。

 

定年が60歳であることが前提とすると、厚生年金が支給されるまでの65歳までの間は「無年金期間」となるわけです。

 

この間はお金が出ていくだけになりますので、当然老後不足金額が膨れ上がります。

 

 

年金受給年齢と金額

 

年金受給年齢に関しては、「本当に今のままで普通に年金をもらえると思いますか?」という質問の元、70歳に年金が支給されるというシミュレーションに誘導します。

 

さらには、「年金支給額は今の半分くらいになる」という話をし、現在およそ20万円の年金が半分の10万円になると試算します。

 

ですので、70歳から90歳までの20年、今の半分の支給額しかもらえないとなると、

 

10万円/月×20年(240カ月)=2400万円

 

これだけのお金しかもらえないという試算になります。

 

先ほどのゆとりある老後支出と合わせて計算すると

 

ゆとりある老後支出1億2,600万円 ー 年金支給額2400万円老後不足額1億200万円

 

これが老後必要資金1億円の正体です。

 

 

間違いの指摘

 

 

先ほどの試算を鵜呑みにしてしまうと確かに1億円が不足するのですが、すこしおかしいのではないかと思うポイントがいくつかありますので、指摘させていただきます。

 

・無年金期間は誰にでもあてはまるものではない

・支給年齢と金額の根拠が弱い

 

無年金期間は誰にでも当てはまるものではない

 

まず考えなければならないのが、60歳からの無年金期間です。

 

現在は60歳定年の会社が多いですが、実情としては、再雇用等で65歳以降まで働き続ける方が多いです。

 

これから先は70歳まで働くのがスタンダードになる可能性すらあります。

 

ですので、60歳で退職するというのは、かなりのぜいたくであり、無謀な挑戦に近いとも言えます。

 

勿論、本人の目標としてなるべく早くリタイア目指すというのは、全く問題ありませんが、人様のお金を扱う仕事をしている人間が非現実的な提案をするのはどうかと思います。

 

 

支給年齢と金額の根拠が弱い

 

まず、もし仮に70歳から年金を支給する場合、現行の年金制度では、「繰り下げ受給」という形になり、42%支給額が増えることになります。

 

こちらの記事で繰り下げ受給については詳しく解説しております。

 

【年金の相談】年金受給額を上げて老後破綻を防ぐ方法

 

ですので、仮に20万円が通常の年金支給額であれば、70歳支給時には28.4万円になるわけです。

 

つまりは、もし半分と試算するのであれば、28.4万円÷2=14.2万円というのが正しい試算ですし、そもそも半分になるという根拠も論理的ではありません。

 

政府からの発表を基にした、私の試算も過去の記事に挙げておりますので、こちらもよろしければご覧ください。

 

【年金の相談】結局いくらもらえるの?

 

またこの記事では取り上げていないのですが、老後の平均年金支給額は、妻が専業主婦であることをベースにしておりますので、夫婦共働きの現代においては、夫婦二人の平均受給額も上がってくるかと思いますので、

 

自分の商品を売りやすいように、一方的にいくらと決めつけるのではなく、お客様の状況に応じたシミュレーションを作成するのが真のお金のプロであるといえます。

 

 

まとめ

 

・老後年金不足額1億円というのはかなり多すぎる

・一人一人の状況に応じた必要年金額を試算できるプロに仕事を依頼することが大切

 

 

より実践的な知識を身に付けたい方は是非こちらへ

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