サイヤ人並みに負けると強くなる思想「反脆弱性」

サイヤ人並みに負けると強くなる思想「反脆弱性」
かんがえる人
かんがえる人
大手総合商社に就職できた俺は一生安泰だ!

これだけ変化の激しい世の中で、ただ大手や公務員に就職できただけで、本当に大丈夫だと言い切れるのでしょうか?

 

そうした大手の看板に依存している人は、何かの拍子でリストラになってしまったとしたら、非常にもろい存在だとも定義できます。

 

そんな何が起こるか分からない人生において、「反脆弱性」を持つことは非常に重要です。

 

「反脆弱性」とは、アメリカの作家ナシーム・ニコラス・タレブが定義したもので、「外圧や混乱によって、逆にパフォーマンスが向上する性質」という意味を持ちます。

 

今回はこの反脆弱性について学ぶことで、逆境になればなるほど強くなるきっかけを作っていただければと思います。

 

■この記事の内容
・反脆弱性とは
・反脆弱性はなぜ重要なのか
・反脆弱性をたかめるには

反脆弱性とは

 

 

タレブが定義する反脆弱性についてもう少し詳しくに見てみましょう。

 

通常、私たちは、ストレスやハプニングによってすぐに心が折れたり、壊れたりしてしまうことを「脆弱、もろい」と定義します。

 

これの対義語として定義されているのが、「頑強、つよい」ということになります。

 

しかし、それは本当だろうか?と疑問を持ったのがタレブでした。

 

「外圧や混乱によってパフォーマンスが低下してしまう性質」を脆弱性とするのであれば、反対は「外圧や混乱によってパフォーマンスが向上する性質」のではないのか?

 

この性質をタレブは「反脆弱性」と名付けました。

 

タレブは続けてこういっています。

 

「反脆弱性は頑強さを超越する。

 

頑強なものはショックに耐え、現状を維持する。

 

しかし、反脆弱なものは、ショックを糧にして強くなる。

 

この性質は、進化、文化、政治、技術、経済、レシピ、スポーツ、自然、生態系など、時代の流れに合わせて変化を続けてきたもの全てにあてはまる。

 

人間と機械のような無機的なものを大きく分けるのは、反脆弱性があるかどうかだ。」

 

ストレスやダメージによって成長するというドラゴンボールのサイヤ人的な特性を我々人類も持ち合わせているのです。

 

スポーツなら練習によって一時的にダメージを負いますが、休みを挟んで回復すると、以前よりも高いパフォーマンスを発揮できるようになったり、

 

ビジネスや投資でも、一度してしまった失敗を反省・分析することで、次は同じ失敗をしないような強さに変えることができます。

 

 

反脆弱性はなぜ重要なのか

 

 

タレブはなぜ反脆弱性が重要なのかというと、私たちは、予測が非常に困難な時代を生きているからです。

 

リスクが予め予測できるのであれば、リスクヘッジのシステムを組んでいればよいですが、それは可能なのでしょうか?

 

タレブはこう指摘しています。

 

「システムのリスクとなる事象を予測するよりも、システムがもろいかどうかを見分ける方が簡単だ。

 

脆さは図れるが、リスクは計測できない。

 

私は、致命的且つ稀少なリスクを計算したり、予測できないという事実を「ブラック・スワン問題」と呼んでいる。

 

変動による被害の受けやすさは測定できるし、その被害をもたらす事象を予測するよりは簡単だ。」

 

 

「静寂に見えるが反脆弱的なもの」と「頑強に見えるが実は脆弱なもの」は、実は身の回りにたくさんあります。

 

「プログラミングスキルを持ったフリーランスエンジニア」と「大手IT企業の総合職」

 

「ネット物販スキルを持った個人」と「大型の百貨店」

 

「自転車」と「フェラーリ」

 

等が挙げられます。

 

3万円の自転車と500万円のフェラーリと比べて、後者の方が脆弱といわれてもピンと来ないかもしれません。

 

しかし、それはあくまでも「世の中が正常な状態においてのみ」です。

 

大震災が起こって、交通網がマヒした場合、自転車なら移動手段としてかなり便利に機能しますが、自動車ですと身動きを取るのが難しくなってしまいます。

 

この「反脆弱性」を組織論やキャリア論に当てはめて考えてみましょう。

 

組織論やキャリアに関して言えば、「頑強なキャリア、組織」とイメージされるのは、大手総合商社や大手都市銀行などに入社し、何事も無く順調に出世していくことだと考えられます。

 

問題となるのが、その「頑強なキャリア」がイメージしているほど頑強なのか?ということです。

 

AIやブロックチェーン等の発展により、業務がますます機械に代替可能になりつつあります。

また、会社内で努力をしても、その成果や評判は企業内に蓄積されることになり、会社から出たり、会社が倒産してしまうと極めて脆弱な状態になってしまいます。

 

ですので、会社という後ろ盾がないという逆境に対しても、ご飯を食べていけるような反脆弱性を高めていくことが重要です。

 

 

反脆弱性をたかめるには

 

 

では、反脆弱性を高めていくにはどうしたらいいのでしょうか?

 

回答としては、多くの失敗をできるだけ早い段階で経験をすること、そして、様々な組織やコミュニティに参加して、知識やスキル、信用や実績を分散した場所に形成することが重要になってきます。

 

危機感のない状況が続けば続くほど、問題が発生した際にダメージが大きくなってしまいますから、完全に体や心が壊れてしまわない程度のストレスを定期的にかけ続けることが大切です。

 

意識の高い人に会って耳の痛い話をされたり、新しいコミュニティに飛び込んだり、副業をやってみたりすると適度な失敗体験ができると思います。

 

その失敗やストレスを乗り越えることで、自身の成長や創造性を高めること=反脆弱性を高めることに繋がります。

 

そして、大切なのは、組織やコミュニティの存続よりも、自分自身の資本を残していくことです。

 

仮にその組織が崩壊しても、分散した多くのコミュニティを持っていれば自分自身のキャリアを存続させることができます。

 

この考え方は、これまでの日本社会の「成功イメージ」「堅実さ」とは一変するものだということに気づきます。

 

「いい会社に勤め」、「退職まで勤め上げ」、「たんまり退職金をもらう」というのが世の中における「堅実」というイメージです。

 

しかし、これだけ予測が難しく、不確実な世の中においては、「頑強」に見えるシステムが、俯瞰するとかなり脆弱であることが判明しつつあります。

 

自分がいま置かれている状況をよく考え、自分のためにいかに「反脆弱性」を取り込んでいくかは、大きな焦点となってきています。